禅をカウボーイから学べ!Buck Brannaman
こんにちは。パチコスキー真由美です。
私の娘は何故か馬が大好きです。
もの心ついたときから読む本も。観る映画も。おもちゃも全て馬。
最近娘が凄い ” BUCK ” という
ドキュメンタリーを観た!と紹介してくれました。
ちょうどドキュメンタリーを再放送していて、途中からですが
BUCK BRENNAMAN(バック・ブレナマンさん)を
知ることが出来ました。
彼はホースマンシップと言うのを教えているのですが。
教えているのは人間としてのあり方。人・馬に対する接し方。育て方。
人間の生き方としてうーんとうなる哲学をもっていて、
ひそかに注目されている人です。
彼のストーリー。是非知っていただきたいんです。
虐待されていた幼少時代
バックさんとお兄さんは幼い頃に母をなくし。
ものごごろついたときにはお父さんにいわれるまま
カウボーイのトリックなどをやってTVコマーシャルに出演したり。
TV番組にも出演していました。
しかし、その影で。
お父さんがパーフェクト出来なかったと思うパフォーマンスをすれば、
背中からおしりまで叩かれる(ムチかベルトのようなものででしょう)
恐怖におののく生活をしていたんです。
お兄さんといつ死のうかと言う話ばかりをしていたそうです。
救いの手が伸びた日
ある日、学校の体育の授業のあと。
シャワーが学校にあり、全ての生徒はシャワーを浴びるのですが。
バックさんは叩かれたあざや傷を見られたくないのでシャワーを浴びません。
体育の先生にさとされてしぶしぶシャツを脱ぎ。
背中を見て息を飲み込んだ先生が警察に通報。
フォースターケアと言う面倒を見てくれる家族に引き取られます。
その家族は23人の子供をフォースターケアする牧場主でした。
牧場で馬と接するカウボーイになる
最初に引き取られてきた日。
車から降りて、牧場主の新しいお父さんと対面します。
どうしていいのか分からなくて、握手をしたあと言葉が出なかったそうです。
何を期待したらいいのか。。。。凍り付いてしまったようでした。
とまっていたトラックのドアを開けられてどういう意味なのか分からない。
立ちすくんでいるバックさんにバックスキンの手袋をポンと手渡してくれたお父さん。
こんな素敵なものをもらって、、、ありがたかった。
それからボーイズ手伝ってくれと言う感じで有刺鉄線を引いて
フェンスを作るのを一日手伝ったんだ。有刺鉄線を引くのに手袋もなしで。
もらったあんな素敵な手袋を使ってぼろぼろにしたくなかったんだ。
こういう風な感じで回想しています。
実のお父さんから、その後2-3年はクリスマスカードが届いたそうです。
「 お前が18歳になったら、銃で撃ち殺してやる。」
「 牧場の外で銃のスコープからお前のことを見ているぞ。」
そういう内容だったそうです。。。。言葉になりません。。。
しかし、フォースターファミリーの愛で、その恐怖からも守られたようでした。
馬と子供の自分の共通点をみいだす
日本で馬は日常にいる動物ではないですからよく分からないかも知れませんが。
400キロ以上ある体でも、馬は獲物として捕らえられる生き物です。
だから、何時もびくびくして群れとして行動します。
おびえ方が普通ではありません。小さなことでもパニックになりやすいんです。
赤ちゃんと一緒なんだ。人間が何をやって欲しいと思っているのか。
コミュニケーションでも分かるのに時間がかかる。
扱っている人間がイライラして怒ったら、
何故怒るのかわからないのでおろおろしてしまう。
そこで叩かれたりすると、もうシャットダウン(心を閉ざす)してしまう。
ただそこにいる、目を見ても生きていない状態になるんだ。。。
子供でまた右も左も分からないうちから虐待と恐怖で生きてきた自分。
困惑しておびえる馬と自分が重なったのでしょう。
馬もまた同じように何を飼い主がもとめているのかわからない。
やるように指示されたことを出来たら褒めてもらい、
自信をつけると喜んでもっと学ぼうとする。
いうことを聞かない、いわゆる悪い馬というのは実は飼い主に問題がある。
そういうことが分かってきたのです。
ホースマンシップを学びながら、人生を学ぶ
彼のドキュメンタリーをみるとわかるのですが。
問題のある馬=飼い主に問題があるそうです。
” YOUR HORSE IS A MIRROR TO YOUR SOUL.
SOMETIMES YOU MIGHT NOT LIKE WHAT YOU SEE…
SOMETIMES YOU WILL.”
馬は飼い主の鏡。
馬のかかえている問題は、実はオーナーが抱えている問題。
バックさんのセミナーに参加する人はコンサルしてもらうとき、
自分達の人生をコンサルしてもらっているように深い、
グサッとくるコトをいわれます。
的を得ていて、逃げ場がない。
そうです。。。と頑固な人でも涙してしまいます。
今まで避けてきた自分との対面。
尊敬するバックさんにしかりつけられるというよりも。
対等に真実を教えてもらえた。
そういう人が大勢いるようです。
だから 禅 とも呼ばれるんですね。
凄く共感した言葉
教えているセミナー(クリニックと呼ばれます)で
こういうことをいわれていて、ものすごく共感しました。
「 がっかりさせて厳しくしつけるのではなく、
やる気が出るように厳しくしつけるんだ。」
これは自信のない、ただ言いなりになる馬を育てるのではなく。
褒めて、自信をつけて、仕事を率先して活き活きとやる馬を育てる。
と言う意味です。
私達人間にも親として、教える立場として。
心しないといけない部分ではないでしょうか?
最後に
バックさんは幼児虐待、それから馬に対する虐待を知ってもらう。
虐待をなくす運動の努力もされています。
彼がインタビューされたニュースは英語ですがこちらです。
こちらがドキュメンタリーフィルム紹介のサイトです。
トレイラーを観るだけで感じが分かると思います。
いろんな賞をもらっているんですよ。