化粧品化学の秘密を明かす:成分リストが全てを語らない理由
エステティシャンが知っておきたい化粧品化学。化粧品原料を勉強してもわかりづらいのは何故か、化粧品の世界がいかに複雑であるかについてパチコスキー真由美が説明します。
化粧品科学の奥深さ
化粧品化学は、単に成分を混ぜ合わせるだけではありません。
各成分にはプラスイオンとマイナスイオンがあり、それらが一緒に働くことで安定した製品が作られるのです。
マイナスとマイナスでは反発し、組み合わせて相乗効果が出ないなど奥深く考え、成分を組み合わせる必要が出てきます。
ですから何でも混ぜれば良い反応が起こるとは限りません。
成分リストを見れば全てが分かると思うかもしれませんが、実際には化粧品化学者や販売元だけが知っている隠された秘密が存在します。
化粧品原料品質の違い
まず、同じ成分名でも品質が大きく異なることがあります。
価格が安いものを選んだ場合、同じ成分名であっても、品質が大きく異なる可能性があります。
私は肌に塗ってみるだけで、その違いを感じ取ることができますので感触で判断します。
また、香りでもわかったりします。
成分の比率が違う
次に、各成分の比率は慎重に守られた秘密です。
成分リストを真似して優れた製品を再現しようとする人や会社も多くいますが、正確な比率を知らなければ、同じ結果を得ることはほぼ不可能です。
そのため、似たような成分リストを持つ製品であっても、たとえ同じ成分にしても、品質や比率の違いから効果は大きく異なることがあります。
化粧品化学者にも甲乙あり
また、優れたレベルの化粧品化学者は、普通の化学者の5倍の給料を受け取るそうで、これは業界に詳しいメンターのキャロル・ワルダマン先生に教わりました。
他の分野と同様に、すべての化粧品化学者が同じではありません。
成分リストを読む際は、その化学者がどのような意図で製品を作ったのかを推測し、その思考プロセスを解釈しようとすることが重要です。
これにより、その製品の品質をよりよく評価することができます。
質の高い成分よりもマーケティングや美しいパッケージに予算を使う化粧品会社は多い
何故か?答えは簡単。
美しいパッケージや良い香りが売れやすいからです。
しかし、パッケージが綺麗だからといって、良い製品であるとは限りません。
そしてマーケティングより宣伝費用も沢山かけ、売り上げを上げたいのがビジネスです。
私は、アメリカの皮膚科医が敏感肌用に推薦している薬局や色んなお店で変える手ごろなある製品が90%水でできていることを知りました。
これも大手美容会社にも勤務したことがあり、美容学校を経営していたメンターのキャロル先生から教えてもらった業界情報です。
簡単に言うと、ほとんどの人は水にアレルギーを持っていません!
つまり、あなたが使用している製品の中には、実際にはほとんど水だけでできているものがあるかもしれないということ。
これがパッケージやマーケティング予算として沢山取られ、成分の費用が代わりに削られたり。
化粧品化学者が思うような良質な成分を使えず、働く気をなくしていく状態も生み出してしまうのだそうです。
成分リストを読み、かつ各製品の意図を読み取れるエステティシャンを探す
成分リストを読める訓練はエステティシャンは学校でもさらりとしか学びません。なのでアメリカでは免許取得後、独学することになります。
本を読んで勉強したり、日本で化粧品成分検定試験を受け勉強していてもこういう効果が期待できるなどドンピシャに推測できるエステティシャンはいるようでそういません。
しかし、ある一部の受けたエステティシャンは、各製品の意図を読み取ることができます。私もその一人です。
例えば、ある化粧品ラインアップでは、ほぼ同じ成分を使用し、テクスチャー(触った感覚)だけが異なるケースもあります。
例えばセラムとクリーム、乳液など。
このような場合、私はクライアントに対して、重複を避けるように指導しています。
どちらか一方で十分であることが大半です。
最後に
ブランド名や、同じ成分が含まれている安価な製品に惑わされないでください。
一番大切なことは、その製品が今のあなたの肌の状態に適しているかどうかです。
多くの消費者はここで間違いを犯し、不必要な刺激を与え、老化やニキビの悪化を引き起こしてしまいます。
私は、探すことが出来れば化粧品化学者の意図が読み取れるエステティシャンに相談することを強くお勧めします。